慢性的な腰痛と脳が関係していた?

レントゲンやMRIでは大きな問題はないのになかなかなくならない慢性的な腰痛でお困りではありませんか?
そんな慢性腰痛に脳が影響を与えているかもしれません
近年、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)の進歩により慢性腰痛と脳の関係性が明らかになっています。

慢性腰痛は脳の活動が特徴的だった

亜急性腰痛(早期の腰痛)と慢性腰痛の脳の活動性を比較したデータによると、亜急性腰痛は急性疼痛に関与する脳の領域に限定されているが

慢性腰痛は脳の活動が感情関連領域(扁桃体など)に限定されていた。

つまり、急性〜亜急性腰痛(〜2ヶ月)と慢性腰痛では使っている脳領域が全く異なっていたんです。
腰痛初期では通常の体の痛みを感じる領域が反応していたが、時間の経過で慢性化してしまうと活動領域が感情や認知の領域(扁桃体)へ移行ているということです。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3754458/

扁桃体の暴走

慢性腰痛で興奮する領域の中でも特に扁桃体という部位が鍵を握っていると言われています。
扁桃体は脳の中で主に不安・恐れ・悲しみの処理に関わる部分であり、扁桃体は不安や恐れが続くと過敏な状態になってしまい自律神経や免疫に影響が出てきます
特に交感神経が過剰に働きやすいとされているようです。
交感神経が過剰に活動してしまうと手足の血流低下や筋肉の張りが生じやすくなります。
血流の低下や筋肉の張りが持続すると痛みが生じる原因の一つとなります。
慢性疼痛の方は扁桃体の影響で

と言った負のサイクルに陥りやすいことが考えられます。

 

さらに、痛みが続くのに病院で「腰には何も問題はありません」と言われたりすると、原因不明の腰痛として捉えてしまい余計に不安が強くなることも考えられます。

 

慢性腰痛で働きが抑制される領域がある

慢性腰痛になると扁桃体などの感情領域が興奮するという特徴がありましたが、実はそれだけでなく反対に働きが低下(脳が萎縮:縮んでいる)している領域も認められています。
慢性腰痛で働きが低下する領域
  • 背外則前頭前野(DLPFC)
  • 側坐核

【背外則前頭前野(DLPFC)】以下DLPFC

DLPFCは主に判断・意欲・興味に関連して活動している領域で、痛みに関しては急性疼痛で活性化して痛みを制限する働きもあります。
なぜこの領域が慢性腰痛において低下するとまずいのか、
実はDLPFCは扁桃体のコントロールにも携わっており、DLPFCの機能低下が扁桃体の暴走に影響してしまうからです。
扁桃体が暴走すると痛みのサイクルが回ってしまいます…

https://doi.org/10.1523/JNEUROSCI.2541-04.2004

【側坐核】

側坐核は主に報酬と快感を司る領域。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20399736
他にも痛み刺激に伴うドーパミン放出に反応して痛みを抑制する働きがあります。
しかし不安やストレス、恐怖等があるとドーパミンは十分に放出されず側坐核による痛みの抑制が機能しなくなっているのです。

要約

慢性腰痛患者の脳は通常の痛みの処理をしておらず、感情と同じ領域(扁桃体)で痛みを処理している。その扁桃体の過活動が痛みをより強く感じさせている
加えて、痛みを抑える役割を果たす脳がうまく使えなくなっている状態
ということになります!

 

慢性腰痛は情緒的

ここまで慢性腰痛の脳の特徴をお伝えしましたがいかがだったでしょうか?
長引く腰痛の多くは脳の活動領域自体が通常の痛みとは異なっており、感情に関わる領域と密に関わっていたのです。

体の歪みや、変形にとらわれて不安を強めてはいけません。(むしろ関係ないのかもしれません。)
長引く痛みは不安や恐怖、悲しみといったネガティブな感情と密接に関わっています。

まずは正しい知識を学び、痛みの解釈や考え方を変えていくことにフォーカスしていくことを提案させていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました!